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毎日の会員伝道がもたらす力

「何を」「どのように」行うかのヒント

クレイトン M. クリステンセン

4章 誇りと自信を持って職場で真理を分かち合う

 仕事を通してわたしたちは信仰を異にする多くの人に会い,接する機会があります。1わたしたちは仕事に多くの時間を費やしますが,職場で教会について話すことは気まずく,あまり良いことではないと多くの人が感じています。この章の目的は二つあります。一つ目として,職場で福音を分かち合う方法を学ぶことがどれほど重要であるかをお伝えしたいと思います。わたしたちはサタンとの間に数々の戦いを繰り広げていますが,職場での戦いもその一つです。それは大きな戦いです。しかしこの戦いの多くの局面で,わたしたちは前線から後退し,職場をサタンに占領されてしまっています。二つ目の目的は,ヒーバー・C
・キンボールのように広場で台に立って説教をすることは伝道方法の一つですが,方法はそれだけではなく,職場で大胆かつ率直に福音を分かち合うのに適した方法がほかにもあるということを再確認することです。

この章を読み終えた後,次のように言う人がいるかもしれません。「クレイトン・クリステンセン兄弟はわたしたちとは違う環境にいるので職場で福音を分かち合うことができるのだろう。彼は仕事で高い地位についているので,職場で教会について話したとしても,解雇される恐れはないのだ。しかしわたしは彼とは違い,たたき上げの一般社員だ。だからクレイトン兄弟と同じことを言えば,わたしは解雇されるに違いない。少なくとも,職場の人から変わり者のレッテルを張られてしまうだろう。」

 わたしの例がまれなケースなのかどうかは分かりませんが,わたしは,人生で4つのキャリアを積んできました。大学院生として7年間,コンサルタントとして5
年間,事業家
として5年間過ごし,学者となってかれこれ20年たちました。どのキャリアにおいても,わたしは始めから有名だったわけでもなければ,成功していたわけでもありませんでしたし,ひっそりと離職したことも何度かあります。しかし,それぞれのキャリアにおいてわたしは自分の地位にかかわらず,できるだけ多くの人に福音を伝えようと努めました。それぞれの職場で,どのように福音を伝えるとうまくいくか,いかないかを学び,よりよい宣教師になろうと努めてきました。これがこの章でみなさんにお伝えしたいことです。

 初めに,「まず神の国と神の義とを求めなさい。そうすれば,これらのものは,すべて添えて与えられるであろう」(マタイ 633
)というキリストの言葉は真実であることを確信を持ってお伝えします。神の王国を築くために貢献しようと努めるときに,職場にあっても,わたしの能力は通常の能力よりもさらに高められるのを実際に感じてきました。


サタンによる矛盾の仕組み

 職場は,最も容易に人々と会い,福音について話をすることができる場所であるため,サタンはそれを何としてでも阻止しようと躍起になります。サタンがわたしたちを妨害する方法をお伝えするために,まずこの章では,わたしがサタンやその手下と交わした「会話」についてお伝えします。心配しないでください。サタンがわたしたちを誘惑するとき,わたしたちは様々なことについて彼らと会話をしているのです。サタンは,間違ったことをするようわたしたちを説得するためにわたしたちの霊に語りかけ,わたしたちの霊はサタンの提案に従わないと答えるのです。恐縮ながら,有名なクリスチャンの著者C.S.ルイス氏の優れた作品「スクリュータイプレター」のスタイルを真似して説明してみたいと思います。これは日々わたしたちの心の中で,教会員とサタンとの間で交わされる会話です。サタンは,正しい事を行わないようにわたしたちを促します。サタンに「シャープフォーク」という名前をつけて話を進めてみましょう。

「ちょっと待てよ」と私は心の中でシャープフォークに言った。「つまり,仕事中には自分が信じている事をほかの人に伝えるべきではない,って言ってるのかい。道徳的に正しくないし,もしそれをしたら皆気を悪くするだろう。宗教は個人的なことでなければならない。そう言っているのかい。」

「クレイ,君の言う通りさ」とシャープフォークが応じてきた。

「しかしイエス・キリストは福音を全ての人に伝えるよう望んでおられる。職場の人にもだ。」

「もちろんその通りだよ。そうじゃないとは言っていない」とシャープフォークは言い返してくる。

「これは問題ではないか?」とわたしが不満を言った。「君のアドバイスを受け入れたとして,仕事中に他の人に福音を伝える事をしないとする。1週間
60時間の労働時間中は(通勤時間を含め12時間×5日の計算),伝道活動をしないということになる。ここで問題は,土曜日には皆教会員である家族と過ごし,日曜日には教会員の家族や教会員と過ごすってことだ。つまり君は,一週間のうちのこの7日以外の時間で福音を伝えればよい,と言っているのだね。」

「その通り。そこが伝道のいいところさ」とシャープフォークは言いのけた。

こんなふうに表現されることはあまりありませんが,実際には皆がこういう会話を頭の中で繰り広げているのではないでしょうか。そして,福音をほかの人に伝えることは主を喜ばせることだということを知りながら,その方法が分からないということに矛盾を感じるのです。

 もし,職場で宗教について話すことを禁止することが会社の重役の希望だとしても,別の会社では別の考え方をするでしょう。また,職員の生産性を損なうという懸念から宗教の話しを禁止しているとすれば,政治や人種の違い,スポーツなどのほかのことに関する信条についての会話もまた職場の生産性を損なうものとみなしてもいいはずです。宗教についての会話のみが禁じられ,それがどの職場にも適用されていることを考えると,この文化的信条はサタンの仕業だと思わざるをえません。ほかにもっともらしい説明ができないのです。


職場や学校でわたしたちが話す事に対してなぜサタンは関心をもっているのでしょうか。選択の自由をもたらす救いの計画が天において定められたときから現在に至るまでサタンは攻撃の手を緩めてはいません。前世において最初の敗北を喫したサタンは,現世において様々な手段で選択の自由を挫こうとしています。主の計画が成就するには,一人ひとりが善と悪を選ぶ機会を得る必要があります。そうでなければわたしたちは思いのままに行動することができなかったでしょう。リーハイは次のように言っています。「そのようにして,主なる神は思いのままに行動することを人に許された。しかし人は,一方に誘われるか他方に誘われるかでなければ,思いのままに行動することはできなかった。」(2ニーファイ2:16,強調付加)

 神の計画の中で,サタンが私たちを誘惑するに任せることが許されているならば,サタンは,どのような方法で選択の自由に対する争いを仕掛けてくるのでしょうか。彼はただ,仕事中に福音を宣べ伝える事は場違いであり道徳的に誤っていると末日聖徒の会員に思い込ませればよいのです。もしサタンがこの目的を成し遂げてしまうと,多くの神の子は一方(サタン)に誘われますが,他方(教会員)には誘われないことになり,人々は正しい選択ができません。

このようにしてサタンは選択の自由に対する戦いでたびたび勝利を収めています。ゲリー・ローレンス兄弟とわたしはそれぞれ,近所の人やクラスメイト,職場の同僚にイエス・キリストの福音を学ぶよう招いている神の聖徒は,全体の10%にも遠く及ばないことを知りました。末日聖徒の会員が口を閉じたままであれば,人々は自分の思いのままに行動する事はできず,これこそがサタンの勝利です。それは一大事です。