モルモン

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Mormons?

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7章 祈り方を教える

数年前,わたしたちは,ジョシュア ムーアと彼の妻アンジェラ(あまり活発でない会員だった)を我が家に招待しました。宣教師達と会ってもらうためです。ジョシュアはクリスチャンの家族で育ちましたが,これまでどの教会にも定期的に集ったことはありませんでした。ジョシュアは一流の教育を受けたボストン在住のベンチャーキャピタリストでした。さらに,アンジェラのお腹には初めての赤ん坊がいました。

 当時わたしたちのワードで伝道していたマーフィー長老とアダムス長老は,素晴らしい教師でした。伝道部会長は,『わたしの福音を宣べ伝えなさい』で教えられている最適なレッスン時間である45分を超えないようにすることがどれほど重要か強調していました。最初のレッスンで,ジョシュアに沢山の疑問があったため,長老たちが教える必要があると感じた事柄を教えるのに45分を使い果たしました。そこで,レッスンの終わりに宣教師達はジョシュアにモルモン書をプレゼントし,モルモン書を読み,それについて祈るよう勧めました。ジョシュアは読んで祈ってみると言いました。

 2回目のレッスンの初めに,アダムス長老は少しでもモルモン書を読み,祈ってみたかジョシュアに尋ねました。ジョシュアが「ええ」と言ったので,長老たちは満足してジョシュアとアンジェラに2つ目のレッスンを教え始めました。レッスンは計画していたより長引きました。マーフィー長老はちらりと時計に目をやると,レッスン時間がもうすぐ45分に達しようとしていることに気づき,最後に教えていたことをできるだけ早く伝え終えました。わたしの妻の閉会の祈りの後,アダムス長老は,「モルモン書を引き続き読み,毎日祈ってくれますか」とジョシュアに尋ねました。ジョシュアはそうすると言いました。

3回のレッスンは2回目のレッスンの繰り返しでした。アダムス長老はまず,ジョシュアがモルモン書を読み,祈っていたかを尋ねました。ジョシュアが「はい」と言うと,長老達は彼を褒めてから,何か質問があるか尋ねました。何も質問がないとジョシュアが答えたので,長老達は慎重に準備したレッスンを教え始めました。説明しなければならないことがたくさんあったため時間が足りなくなり,またもや急ぎ足でレッスンを終えようとしました。アダムス長老はレッスンの終わりに,「引き続きモルモン書を読み,祈っていただけますか,ジョシュア」と繰り返しました。ジョシュアはモルモン書を読み祈るとまた約束しました。そして,次回のレッスンの約束を作り,長老達は帰りました。

 4回目のレッスンの初めのことです。真理を悟った人々の顔に通常見てとれる福音の光が,明らかにジョシュアの顔から放たれていませんでした。そしてジョシュアがモルモン書を読み祈っていると再び長老たちに話した時,わたしはもっと深く彼の祈りについて核心に迫ることにしました。わたしは,「ジョシュア,どのように祈っていますか。何と祈っていますか」と尋ねました。

 きまり悪そうでしたがほっとした様子で,ジョシュアは答えました。「僕は祈り方についてあまり分かっていないと思います。僕はクリスチャンの家族で育ちましたが,祈り方について一度もちゃんと学んだことがありません。子どもの頃に,決まった祈りの言葉をいくつか教わりましたが,もう覚えていません。祈っているとずっと言っていたのは,祈り方を知らないことを認めるのがとても恥ずかしかったからです。実は,僕は祈りについてあれこれ考えたことは一度もありませんでした。」

 わたしは祈りについてジョシュアを助けてこなかったことを詫び,宣教師達は準備してきたレッスンを脇におきました。わたしはこう提案しました。「ジョシュア,あなたはレッスンの最初と終わりにわたしたちの祈りを聞いていますね。しかし,これらは公衆の場での祈りで,通常そこにいる全員に関連する事柄について祈ります。個人の祈りはこれとは異なります。個人の祈りは,個人的な報告もしくは神様との会話のようなものです。一緒にひざまずきましょう。そして,もしわたしがあなたの立場だったら,どのように祈るかをやってみせましょう。その後,クリスティーンと,その次にマーフィー長老にも祈ってもらいます。わたしたちが何をどのように祈るかを聞いておいてください。一人ひとりの祈りは異なるでしょう。しかし,わたしたちが祈る事柄のパターンに耳を傾けて下さい。それから椅子に座って,祈りについてどのような質問でもしてください。」わたしたちが祈った後,わたしは尋ねました。「わたしたちの祈り方にどのようなパターンがありましたか。」「そうですね,最も明らかなことは,全員心の中で祈るのではなく,声に出して祈りました。個人で祈る時はいつも声に出して祈るのですか。」

「心の中で祈っても構いません。」マーフィー長老が返答しました。「しかし,声に出して祈れるときには極力そうして下さい。その理由は,声に出して祈ることにより,実際に神様に話しているのだと感じやすくなるためです。そうです,祈りとはまさしく天のお父様との個人的な会話なのです。」

 ジョシュアは次にこう言いました。「全員,神様が与えて下さっていることに対する感謝をまず示しました。わたしが思うに,このことは神様がわたしたちのことをどれほど愛してくれているかに気づく助けとなるのではないでしょうか。」

 アダムス長老が「そうです」と言うと,ジョシュアは尋ねました。「あることに気づきました。それは,皆さんはただ神様に祝福をお願いするだけではなく,説明をしていたということです。あなたが何をしたのか,そして何をするつもりなのかを天父に話してから導きを願い求めていました。なぜ,そのように祈ったのですか。」

 アダムス長老は答えました。「このように考えてみて下さい。あなたのお子さんが電話であなたと話す時,あなたは彼らの様子について聞きたいと思うでしょう。子供たちが何をしているのか,おおよそ察しはついているでしょうが,彼らのことをとても愛しているので,子供たちの口から彼らの話を聞きたいと思うのではないでしょうか。そうです,神様はわたしたちをほんとうに愛しておられるので,わたしたちの口から話を聞くことを望んでおられます。彼はわたしたちのことを本当に愛しているからです。神様は,わたしたちが心の中で物事についてじっくりと考え,何をすることが正しいかについてわたしたち自身で決断するよう望んでおられます。それから,自分の決断について天父の意見を仰ぎます。このように祈るよう天父が望んでおられる理由は,もし天父がわたしたちに代わって全ての判断を下すなら,わたしたちは決して成長することがないためです。これが,わたしの思い描く個人の祈りです。祈りは実家の両親に電話するようなものです。天父が『実家に電話をかけてほしい』と思っておられることは,聖文からも明らかです。わたしたちを愛しておられ,わたしたちの声を聞き,忠告を与えたいと望んでおられるためです。」

 このレッスンがジョシュアの祈りに関する興味をそそったようでした。彼はこう尋ねました。「わたしは神様と相談し助けを求めるときに,どのようなことを話題にするべきですか。例えば,霊的な事柄についてだけ神様に助けを求めるのですか。それとも,仕事での問題について祈ってもよいのですか。」マーフィー長老はジョシュアにアルマ書3417-27節を読むように頼みました。ジョシュアは読み終えると,学んだことをこのようにまとめました。「ここで言っているのは,どのようなことであってもわたしにとって重要なことは神様にとっても重要だということではないでしょうか。わたしの理解は正しいですか。」

「おっしゃる通りです」とマーフィー長老は教えました。「全知全能の神様が,わたしたちに対するその愛の深さゆえに,わたしたちにとって重要なことすべてをご自身にとっても重要なことと考えておられるとは,なんとすばらしいことでしょう。」それからマーフィー長老は,もう一度皆で一緒にひざまずき,話し合ってきた方法で声に出して祈るようジョシュアに頼みました。ジョシュアは心からの美しい祈りを捧げてくれました。

 その後,ジョシュアはこう尋ねました。「これまで,どのように神様と話すかを教えてくれました。では,神様はどのようにわたしに話しかけてくださるのですか。」そこでわたしは言いました。「わたしならこう表現します。わたしたちは互いに,物理的,アナログ的な方法で話します。つまりわたしたちの声帯が振動し,これにより物理的に空気の振動を起こり,この音の振動はだれかの鼓膜にぶつかって鼓膜を震わせます。すると小さな電気信号が作り出されて振動パターンが聞き手の脳に送られます。今度は,その信号を受けて神経細胞が高速で脳に送られ,話し手が伝えたい概念が抽出されます。ここで鍵となるのは,これらのことは全て物理的,機械的な現象だということです。わたしたちは耳ではなく,脳を使って聞いています。わたしたちの素晴らしい耳は機械的な信号を電気信号に変換する変換機なのです。

 わたしたちが知る限り,このような物理的,機械的な振動による会話は全く大気がない宇宙では機能しません。ですから,もし二人の宇宙飛行士が月でヘルメットを脱いで,お互い話しかけようとしても,話をすることはできないでしょう。振動を信号に変えることができないからです。ですから,彼らは機械的にではなく電子的に話さなければなりません。」 

 「話が長くなりましたが,つまりあなたの耳にこのような物理的な信号を通して神様が話しかけられると期待すべきでないと申し上げたいのです。むしろ,神様はご自身の御霊であられる,聖霊をあなたにお送りになります。神の御霊はあなたの脳もしくは思いに直接働きかけ,あなたの内にある霊に語りかけることがおできになります。このとき,あなたの耳で機械的,電気的な変換を行う必要はありません。多くの人は,自分の耳を通して神様の声を聞こうとして何も聞こえないため,困惑します。そうではなく,自分自身の内なる声を聞く必要があります。時折,あなたは神様の声に気づきます。アイデアや言葉,もしくは考えが頭に思い浮かぶことがあります。また,心に感じる穏やかで暖かい気持ちとして天父のメッセージを感じ取ることもよくあります。それはまるで,神の御霊があなたの内に入り込み,あなたの霊を温かく抱きしめて『正しいことですよ』と伝えてくださっているかのようです。」

 わたしたちが話し終えた後,アダムス長老はこう尋ねました。「ジョシュア,アンジェラ,これから毎日実践していただきたいことが二つあります。まず,一人静かになれる時間を毎日作り,今やってみたように声に出して天父に祈っていただけますか。そして就寝前には二人で一緒にひざまずいて,お二人の結婚生活と家族について夫婦で祈っていただけますか。この2つのことをやっていただけますか。」ジョシュアとアンジェラはそうすることに同意してくれました。

マーフィー長老は,今日約束した事柄がうまくいっているか確認するため,23日中にジョシュアに電話してもよいか尋ねました。ジョシュアは電話を待っていると言いました。長老たちが電話をかけると,ジョシュアは自信に満ちた声で二人とも約束した通り確かに祈っていると答えました。次のレッスンでジョシュアとアンジェラに会うと,これまでジョシュアの顔に見られなかった輝きがようやく現われていました。程なく,ジョシュアはバプテスマを受けました。

 ジョシュアとアンジェラは神殿で結び固められ,現在4人の素晴らしい子どもたちに恵まれています。

わたしは,ジョシュアが祈ることができない事実に気づいていなかったらどうなっていただろうと考えると身震いがします。宣教師達は,恐らく過去の求道者リストの「進歩しない求道者」の一覧に彼を加えていたことでしょう。

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 人々に祈る方法を教えることはなぜ重要か

求道者が,祈る,聖典を読む,教会に出席するといった約束を守らない場合,やり方が分からないためであることが大いに考えられます。例え求道者が優秀な大学の卒業生であっても(ジョシュアのように),神様と会話する方法,もしくは(次の章を参照)神様の言葉の学び方を知っていると思い込むべきではありません。求道者たちはやり方を知らないという前提に立つべきです。